今回は全国に潜むキャラクターについて分析をしていく記事です。
第1回は「バハムートラグーン」というゲームのとある魔法少女にスポットライトを当ててみましょう。
バハムートラグーンについて
スクウェアの3大悪女がいるゲームといえばご存知の方がいられるのではないでしょうか。
または「サラマンダーより、ずっとはやい!」という名言でも、「ああ、あれか」と思い出す方もおられるかもしれませんね。
ゲームについてはここでは詳細を省きます。
概要としてはこんな感じです。
空に「ラグーン」と呼ばれる島が浮かぶ世界「オレルス」を舞台に、グランベロス帝国に国を追われたカーナ王国の皆が、何でも食って成長するドラゴンと共に反乱軍を結成して、全ラグーンを征服した帝国軍に反旗を翻して戦う。しかし、戦いを進めていくうちに、カーナ王国に伝わる神竜の伝説が、帝国に征服された国々はおろかオレルス全体の存亡に関わることが判明していくことになる···。
引用:ピクシブ百科事典から
アナスタシアとは

アナスタシアとは、バハムートラグーンに出てくるサブキャラの1人です。
所謂魔法使いで、非常に濃い面々が揃うバハムートラグーンの中でほぼ唯一の常識人です。
また、ドット絵を他のキャラと比べるとわかりますが「背が低い」みたいです。




本編でも背が低いと示唆できる発言をされてしまいます。(ちびっ子など)
また、「バルクレイ(図の一番右)」と非常に深い関係を持っています。
これについてはキャラクターの魅力にも関わってくるので、のちに語りましょう。
今回はキャラクターについて徹底的に分析していきます。
キャラクターの属性(ポイント)
羅列するとこのような感じになります。
- 身長が低い
- 魔法少女
- ツンデレ
- フード
これを「性格面」、「容姿面」、「その他」に分けましょう。
性格面
- ツンデレ
容姿面
- 身長が低い
- フード
その他
- 魔法少女
ではそれぞれについてみていきましょう。
ここが魅力的!
ツンデレ+ほほえましい
ツンデレはかわいい要素として王道と言われているものです。
ツンデレにもいろいろありますが、アナスタシアは珍しいのタイプのツンデレと言えます。
昨今のツンデレキャラクターにはある程度テンプレが出来上がっていて
釣り目やお嬢様みたいな見た目をしていることが多くなっています。
そしてツンの時はその釣り目を如何なく発揮し、デレの時は勢いがなくなり甘えるようになります。
そのギャップが可愛さにつながるというわけです。
そんなテンプレができあがっていますが、このゲームは1996年の作品です。
テンプレなんて出来上がっているはずもなく
彼女はそのキャラの配色と言動からあまりツンの要素を感じえません。
「まえへならえって感じ…」という最初の発言からも、「ツン」には程遠いですね。
どちらかというとデレの要素が非常に強いです。
実際は非常に穏やかな口調です。
ではどこで「ツン」の要素があるかというと、バルクレイというキャラクターとかかわるときです。

この時は彼女の「ツン」がいかんなく発揮されます。
「のろのろヘビーアーマー」と罵ります。逆にバルクレイは「ちびっこウィザード」「なまいきウィザード」と罵ります。
お互いに罵り合いますが、常に発言にはお互いの名前が出てきます。
「~ってバルクレイが言ってた」「あのウィザードが~」などです。
章を進めるたびにそのお互いの突っ張りがどんどんなくなっていき、お互いに意識し始めます。
それで、最終的に結婚にまで至ります。
これはツンデレの流れではないでしょうか。
最初は突っ張ってツンツンな状態ですが、章を進めればお互いにどんどんデレ始める。
そして結婚。王道の流れかと思います。
またツンデレには大事な要素があって、それを第三者から見たときにニヤニヤできることです。
お互いにいがみ合っていてもいつも一緒にいる男女がいたら、思うことは1つですね。
「お仲がよろしいようで」
とほほえましく見えること請け合いです。ちょっと嫉妬したくなりますね。
バルクレイとアナスタシアの関係はツンデレの要素もありますが、このニヤニヤできる部分が大きいです。
お互いに罵り合いますが、お互いに情報元は相手からですし、話の大半が相手の話になっています。
ここに「口では嫌っているけれど、本当は信頼して、且つ意識している」という状態が生まれます。
そうなったらさっきのいつも一緒にいるような感覚に近くなりますね。
そのため2人が微笑ましく見え、応援したくなってしまうのですね。
そして魅力的なキャラクターになってしまうというわけです。
身長が低いのを気にしている
実は「身長が低い」だけでは大してキャラクターの魅力的な要素にはなりません。
「身長が低い」で生まれてくるのは庇護欲ですね。自分より小さい人はなぜか守りたくなります。
そういう意味では重要なポイントです。
ですが、ここに「コンプレックス」を付与することでもっと魅力的なキャラクターになります。
WORKING!というアニメをご存知でしょうか。
主人公である「種島ぽぷら」という子がいますが、この子は作中で事あるごとに小さい、小さいといわれます。
150㎝ないとうわさされるほど身長が低いキャラです。

それだけなら「へぇー」という程度で終わりますが、主人公は小さいといわれるたびに「小さくない!」と反発するわけです。
小さいのを意識してあげ底の靴を履いたり、高いところにあるものを自分の力で取ろうとしたりするわけです。
つまり「小さい」ということにコンプレックスを抱いているわけです。
また作中でも主人公とそのほかのキャラクターは身長差が大きく描かれています。
そのため視聴者にもそのコンプレックスがどれほどのものかを感じることができます。
アナスタシアも同じように「小さい」ことを気にしているのが見受けられます。
このゲームには直接戦闘があり、その時はそれぞれのキャラクターが戦闘モーションをしてくれます。
その際ウィザードは手を前に出して魔法を出すモーションですが、アナスタシアだけは別です。
背伸びして両手を上にあげます。
手を前に出したほうが、魔法は当てやすいでしょう。
それでも背伸びして両手を挙げて魔法を出すのは、多少でも背の低さを気にしている証でしょう。
つまりコンプレックスを感じているわけですね。
それを含めて仕草が魅力的に見えるわけです。
魔法少女というジャンル
今では「魔法少女」はジャンル化してきた風潮があります。
有名な魔法少女といえば「魔法少女まどか☆マギカ」や「リリカルなのは」などがありますね。
この「魔法少女」という立場だけでも魅力的にうつります。
「ジャンル」としてできあがっているということはキャラクターの需要があるということですから。
魔法少女にも制服(正装)がある
また、今では様々な服装の魔法少女が増えましたが、ジャンル化するまでは
ハリーポッターの主人公たちのように「とんがり帽子」と「暗い色のローブ」というのが
オーソドックスな魔法使いのイメージでした。
ゲームでもほとんどが同じような服装になっています。
これは疑似的な「制服」ととらえることができます。
今、制服も大きな魅力のジャンルとなっていますね。
制服を集めた「図説女子高制服百科」なんて本が販売されているくらいですから。
魔法使いも同じような魅力を持っていると考えられます。
そもそもの「魔法少女」の魅力とは何なのか?
これは「魔法少女」というものに限った話ではありません。
まず、自分たちが持ち得ることのできない特殊能力を持っている。
これだけで魅力的です。
さらに「魔法」というものは「何ができる」のか、はたまた「何ができない」のかが決まっていません。
空想上のものですから、決まっているわけがありません。
強いて言えば、作った本人の中だけに存在するでしょう。
したがって「何ができるのか?」というワクワク感があります。
その可能性を秘めるキャラクターが魅力的でないわけがありません。
アナスタシアから見るキャラクターデザインの肝
アナスタシアというキャラクターをまとめると、
- 背を低いのを非常に意識している
- ツンデレ+やりとりがニヤニヤできる
- 制服の要素を持つ魔法少女
ということになります。
そこから示唆される彼女のキャラクターデザインの肝はここだと思われます。
ニヤニヤできるような関係のツンデレ
①お互いにいがみ合う。(自分の意識に反した行動をする)
②でも2人の話には相手のことが必ず入っている(自分の意識に通じた状態)
③その状態が長く続き、関係が深まっていく(デレ期の始まり)
④徐々に素直になり、誰が見ても微笑ましい関係になる(デレ状態)
⑤「末永く爆発しろ(´・ω・`)」という状態になる(完成)
→魅力的なキャラクターになる
背が低いというコンプレックスを持つ
①もともと背が低いというのは庇護欲が生まれやすい
②意識して小さく見せないようにする(仕草や言動)
③その仕草や行動は大抵焼け石に水だったり無駄な努力であることが多い。
④微笑ましさと可愛らしさが生まれ、ますます庇護欲が高まる。
→魅力的なキャラクターになる
魔法少女というジャンル
①「何ができる」かを創作者が決めることができる
②最初に見た人も「この人は何ができるのか?」というワクワク感を抱く
③一般的なイメージとして服装が決まっているため、ほぼ制服と同義である(制服自体が大きな属性要素)
→魅力的なキャラクターにさせやすい
今後このようなキャラクターを作る際には参考になるかもしれませんね。
バハムートラグーン、人を選ぶけど面白いよ
バハムートラグーンは人を選ぶ要素が多くありますが、良作だと思います。
キャラクターは非常に濃いキャラが多く、真のヒロインはジジイと言われているほどです。
今回のアナスタシアはまだキャラが薄い方です。
一心同体の2人のランサーもいれば、ヤンデレのウィザードもいます。
常に病弱でベッドで寝ているプリーストもいますし、女たらしのランサーもいます。
キャラクター観察をしようと思うと、非常に面白くゲームをすることができます。
(スーパーファミコンの後期に出た作品からか、ドット絵がすごくきれいです。一度見ると感動しますよ)
しかしヨヨという最大の嫌な要素もありますし、結構下ネタが多い印象です。
また難易度としては一部を除き非常に簡単なゲームです。何度でもレベルが上げられますから。
ゲームの難易度を重視する人だと物足りないかもしれませんね。
長年マイナーな作品だったので、ソフトを買うのは難しくなっていましたが
バーチャルコンソールの対象になったことで、かなり買いやすくなったと思います。
ハード自体も最近はレトロフリークやポケットスーパーファミコンがあるので、本体をそろえなくてもよくなりました。
一度やってみてはいかがでしょうか?
今日はこんなところでおしまいです。